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journal:volxx [2023/05/15 17:55]
ss12955jp
journal:volxx [2023/10/19 15:48]
ss12955jp 研究論文2件を先行公開
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 +===== 研究論文 =====
 +〔2023年10月23日 掲載 2件〕
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 +  *<fs large>多層構造の人工バリア概念設計のための核種移行遅延機能の簡易評価\\ ‐各層からの定常放出フラックスの一括導出‐
 +</fs>\\ https://nuce.aesj.or.jp/jnuce/In-Press/Jnuce-In-Press-231018-01.pdf\\ 大江俊昭、稲井隆将、矢込吉則、若杉圭一郎
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 +> 設計プロセスに核種移行解析の結果をフィードバックしやすくすることを目的に,多層構造の人工バリアが持つ核種移行遅延機能を簡易に評価するために,各層からの定常放出フラックスを導出する手順を整備した.本手順は,人工バリアを構成する個々の領域に対して両端のフラックスを未知数として形式的に与えて定常解を導出し,連立一次方程式を解いて各領域界面における未定フラックスを直接かつ同時に決定するものであり,入口が定フラックスで,出口が自然境界,ゼロ濃度,ミキシングセルの 3 条件に対する定式化を行ない,仮想的な多層人工バリアに対する評価を行った.また,本法は層の追加が容易であり,劣化層などを層間に挿入することで,バリアの一部が状態を変化させた場合にも,迅速かつ確実に解が得られることを示した.
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 +  *<fs large>5年間吹付コンクリートに接した軽石凝灰岩のアルカリ影響</fs>\\ https://nuce.aesj.or.jp/jnuce/In-Press/Jnuce-In-Press-231018-02.pdf\\ 新橋美里、横山信吾、渡邊保貴、吉川絵麻、湊大輔
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 +> 放射性廃棄物処分施設では,セメント系材料由来のアルカリ環境でベントナイトが変質することが懸念されている.本研究では,アルカリ環境における二次生成物の沈殿反応を理解するためのインダストリアルアナログ研究として,吹付コンクリートと軽石凝灰岩に関する約 15 年間の相互作用を調べた.その結果,吹付コンクリートと接する数 mm もしくは数 cm の範囲の岩盤では,火山ガラス等の非晶質な初期物質の溶解に伴い,Ca/Si 比が 0.7 程度,もしくはそれより Ca や Al に若干富む非晶質な C-(A-)S-H が生成していることがわかった.岩石の間隙水のアルカリ影響領域は少なくとも界面から 9 cm に及ぶものの,間隙率や透水性は界面から数 mm 以深では変化していなかった.このようなアルカリ影響領域は,地下水や溶存イオンの移流・拡散を含む複合的な要因によって決まっていることが推察された.本研究や既往の知見より,ベントナイト系材料のアルカリ変質反応では C-(A-)S-H からトバモライト等への変遷を想定することが必要なものの,本調査地のような低温条件であれば,その変遷は少なくとも十数年以降に生じると示唆された.
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 ===== 会議参加記 == ===== 会議参加記 ==
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 > 今後の処分事業に伴う調査においては,サンプル量が少なく,イオン濃度が高く,微粒子や有機物を多く含む地下水あるいは間隙水のサンプルの特性を分析していく必要が生じる可能性が高い.水素酸素同位体比は地下水の移行挙動を理解する上で重要な情報であり,現在波長スキャンキャビティリングダウン分光法(CRDS 法)で分析されることが多い.CRDS 法における水素酸素同位体比の分析では塩分や微粒子・有機物により正確な定量が阻害される可能性がある.そこで本研究では,CRDS 法の前処理として塩分や微粒子等を除去する手法について検討した.微量のサンプルを蒸留するための試験系を構築し,蒸留後のサンプルを回収するための最適な条件を設定した.蒸留前後のサンプルにおける同位体比分析の結果から,蒸留法はサンプルの塩分,粘土鉱物や岩石片由来の微粒子を除去して同位体比を分析するのに適しているのが確認できた.一方,有機物を多量に含む泥水サンプルを蒸留すると,水素同位体比がずれることがわかった.さらに,サンプル溶液から室温で水蒸気を発生させ,水蒸気を分析する手法(水蒸気直接測定法)についても検討した.水蒸気直接測定法も,塩分濃度が高い・粘土微粒子を多く含むサンプルでは同位体比を正確に定量可能であることが確認された.有機物を多量に含む泥水サンプルについては,泥水の混入割合が25 %までは水蒸気直接測定法によりサンプルの水素酸素同位体比を分析できることがわかった. > 今後の処分事業に伴う調査においては,サンプル量が少なく,イオン濃度が高く,微粒子や有機物を多く含む地下水あるいは間隙水のサンプルの特性を分析していく必要が生じる可能性が高い.水素酸素同位体比は地下水の移行挙動を理解する上で重要な情報であり,現在波長スキャンキャビティリングダウン分光法(CRDS 法)で分析されることが多い.CRDS 法における水素酸素同位体比の分析では塩分や微粒子・有機物により正確な定量が阻害される可能性がある.そこで本研究では,CRDS 法の前処理として塩分や微粒子等を除去する手法について検討した.微量のサンプルを蒸留するための試験系を構築し,蒸留後のサンプルを回収するための最適な条件を設定した.蒸留前後のサンプルにおける同位体比分析の結果から,蒸留法はサンプルの塩分,粘土鉱物や岩石片由来の微粒子を除去して同位体比を分析するのに適しているのが確認できた.一方,有機物を多量に含む泥水サンプルを蒸留すると,水素同位体比がずれることがわかった.さらに,サンプル溶液から室温で水蒸気を発生させ,水蒸気を分析する手法(水蒸気直接測定法)についても検討した.水蒸気直接測定法も,塩分濃度が高い・粘土微粒子を多く含むサンプルでは同位体比を正確に定量可能であることが確認された.有機物を多量に含む泥水サンプルについては,泥水の混入割合が25 %までは水蒸気直接測定法によりサンプルの水素酸素同位体比を分析できることがわかった.
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 ===== 研究論文 ===== ===== 研究論文 =====
Permalink journal/volxx.txt · 最終更新: 2023/12/18 15:30 by henmi.ko

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